シニア雇用のメリットと主な助成金

経験豊富なシニア人材の採用は、質の高い労働力を確保できるだけでなく、国の助成制度を活用することで採用コストを抑えることも可能です。
これらの制度を上手に活用することで、経営資源の最適化や人材戦略の強化につながります。
今こそ、シニア人材の力を経営に取り入れる好機です。


1. 65歳超雇用推進助成金（厚生労働省）
▶︎ 厚生労働省公式ページ（65歳超雇用推進助成金）
◉ 概要
企業が、以下のいずれかの制度を導入した場合に支給される助成金です。
定年の引き上げ（65歳以上）
定年の廃止
全従業員を対象とした継続雇用制度の導入
制度は「継続雇用促進コース」「評価制度整備コース」「無期転換コース」の3種類があります。
◉ 支給額の目安（継続雇用促進コース）
従業員1～3人の場合：15万円～40万円
10人以上の企業：60万円～160万円
※会社規模・導入内容により金額が変動します。
◉ メリット
定年延長や継続雇用に関する人件費負担を大きく軽減できます。
高齢人材の経験を活かした組織づくりが進み、職場の安定性が高まります。

2. 特定求職者雇用開発助成金（高年齢者雇用開発特別奨励金）
▶︎ 厚生労働省：特定求職者雇用開発助成金
◉ 概要
ハローワーク等を通じて、60歳以上の高年齢者を新たに雇用した事業主に対して助成金が支給されます。
◉ メリット
正社員だけでなく、有期雇用でも対象となります。
雇用初期の教育や研修にかかるコストを補助でき、採用リスクを軽減できます。

3. 高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
▶︎ JEED公式ページ（高年齢者雇用管理助成）
◉ 概要
60歳以上の従業員を対象に、以下の制度を整備した企業が対象となります。
評価制度
賃金制度
健康管理制度など
初回は仮定経費50万円に対し、60％（30万円）の支給が受けられます。
◉ メリット
制度導入により職場環境の整備が進み、高齢者の定着率向上に貢献します。

4. エイジフレンドリー補助金（厚生労働省）
▶︎ エイジフレンドリー補助金（厚生労働省）
◉ 概要
高齢者が働きやすい職場環境を整備する中小企業に対し、設備や研修などの費用を補助する制度です。
◉ メリット
作業負荷を軽減するための設備投資
安全衛生教育や社内研修の実施
といった取り組みへの補助が得られ、社内の理解促進や定着支援につながります。
✅ 高齢者雇用による副次的なメリット
人手不足の解消：経験豊富な人材を即戦力として確保できます。
企業イメージの向上：社会的責任を果たす企業として高く評価されやすくなります。
税制上の優遇：一部地域では、65歳以上の雇用者の給与が法人住民税から控除対象になる場合もあります。
✅ 助成金活用の進め方（ステップ）
現状の雇用・定年制度を整理する
適用可能な助成金を選定し、支給要件と金額を確認する
就業規則・制度を見直し、整備する
制度導入の計画を提出し、導入完了後に受給申請を行う
このような流れを通じて、高齢人材が現場で活躍し、若手の育成・定着や企業イメージの向上につなげることが可能です。

※ただし、制度の内容や条件、リンク先等は予告なく変更されることがあります。最新情報をご確認のうえ、各制度の公式窓口または専門家へのご相談をおすすめいたします。